冷えは万病の元

昨日ブログに書いたように、寝違えてしまった。
とはいっても、夕方には仕事帰りの妻と待ち合わせをして新宿に買い物に行くことができたほど回復していました。
その夜、もうひと押しと思ってお風呂に久しぶりにゆっくりと浸かりました。
湯船に3回入って、じっくりと体を温めたのですが、自分のひざや足首が冷えていたのに気が付いてショックでした。
これまた患者さんには「秋口は自覚できない冷えが元になって体を壊すことがありますから注意してくださいね〜」なんてよく話をしているのです。
自分が出来てないことを人に偉そうに話していたなんて、恥ずかしい限りです。
この時期はまだ夏の余韻と言うか、すこし涼しいくらいの方が気持ちがよく感じてしまい、ついつい体を冷やしてしまうことがありがちです。
そのような無自覚の”冷え”が、体を強張らせてしまいギックリ腰や寝違え、あるいは神経痛を引き起こすことがあります。
また、熱は出ないけれどなんか元気が出ない・風邪気味なんて方も、この隠れ冷え性が原因となっている方もいらっしゃいます。
秋口に温泉に行くなんてことは実は日本人の知恵だと思います。
夏は汗を出して熱が体にこもらないようなモードになっていますが、涼しくなるにつれて熱を外に出さない体にならなくてはいけないのですが、そうスムーズにいかないケースが多々あるわけですね。
そんなときに温泉なんかで調整しながら体のモデルチェンジをしていくことができると、そりゃ最高の健康法ですよ。
ちなみに中国医学には「傷寒論」なんていう書物がありまして、読んで字のごとく「寒さによって体が傷んでしまった状態を論じた本」なわけです。 (クドイか、、、)
中医学をまじめに勉強している方々からは怒られるほど思いっきり・乱暴なほどに大雑把に説明すると、寒邪(寒い邪気)によって病になった人の症状には6つのレベルがあります。
?太陽病 : 風邪の初期で症状としては、悪寒・悪風・頭痛・身体痛・発熱・自汗あるいは無汗
?少陽病 : 正気が軽度消耗した状態で症状としては、往来寒熱・胸脇苦満・食欲不振・悪心・嘔吐・口が苦い・頭がふらつく
?陽明病 : 熱が高い状態で症状としては、高熱・悪熱・はげしい口渇・多飲・発汗・いらいら
?太陰病 : 消化器の力が落ちた状態で症状としては、食欲不振・消化不良・腹部膨満感・腹痛・泥状〜水様便
?少陰病 : 抵抗力がかなり落ちた状態で症状としては、元気がない・寒がる・四肢の冷え・尿量過多・熱飲を欲する
?厥陰病 : 複雑にいろんな症状が出ている状態、はげしい口渇・胸が暑苦しい・飢餓感はあるが食べられないなど
え〜、、、読む気がしなくなりますよね。
東洋医学を勉強している人間はこれにさらに、脈がどうの、舌がどうなっているの漢方は何がいいのということが、ほとんど漢字で書いてあって、マニアじゃなければとても読めたもんじゃない本を嬉々として読んでいるのです。
ヘンな人たちですね。
こんな面白くもないことを長々と書いたのは、ただひとつのことを言いたかっただけでそれは、、、
「寒さ・冷え・あるいは風邪が万病のもとですよ!」
という当たり前のことです。
めんどくさいでしょうけど上記の症状を見ると、いつも手足が冷えていて消化不良の人なんてそこらじゅうにいますよね。
その原因がひょっとしたら、冷えからくる風邪未満の状態が長く続いているからかもしれないのです。 漢方的には。
そんな方がポジティブシンキングでフィットネスに励んでも、どうでしょうね、かえって具合が悪くなってしまうことが予想できますよね。
慢性的な冷え症を感じている方は、ちょっと東洋医学を試してみても決して無駄ではないと思いますよ。
はり・温灸治療院 楽居堂 IN 世田谷・経堂
http://www.chiryoin.jp