しょうが灸のすすめ

しょうが灸

お灸の効能についてここのところ続けて書いていますが、お灸にも色々なやり方があります。
一般に「灸をすえる」というと、多くの方が想像されるのは”熱い”肌を焼くお灸だと思います。
その方法は”透熱灸”と言います。
私たち鍼灸師が国家資格を取るために学ぶのはその方法です。
ですから資格を持っている者なら全員、うまい下手はありますが、透熱灸はできます。
私が楽居堂で多用しているのは”棒灸”といって、もぐさを紙に巻いて火をつけ、その火を肌に近づけるお灸です。

純もぐさ ロール式 10本入

純もぐさ ロール式 10本入

「火を近づける」なんて言うと、なんか怖い感じがしてしまいますね。
とはいっても別に火がボウボウと燃え盛っているわけではありません。
松明じゃないんですから。
私も棒灸をもってファイアーダンスなんかしません。
いたって地味〜なものです。
俗に”タバコ灸”といわれるくらいで、火といっても小さなものです。
どうでもいいけど、鍼灸学校に通っていたころ、葉巻みたいに棒灸の煙を吸ってみたことがあります。
ゲホゲホ咳が出で、のどが痛くなりました。
おまけにもぐさの粉が口に入って不快でした。
何事も経験だとは言うけれど、皆さんはいくら好奇心が強くても、お灸を吸うことはやめた方が良いですよ。
さて、今回私が紹介しつつお勧めしたいのは”しょうが灸”です。
しょうがを5ミリくらいの暑さに切って肌の上に置きます。
そしてその上にもぐさを載せるお灸です。
しょうがを間に挟むことで、熱の伝わりがじんわりと穏やかになることで体の深部まで温まります。
この方法は温める範囲が広いので背中とおなかへの刺激が主になります。
そのため、特に女性特有の疾患や慢性的な疾患によく使われます。
冷え性・貧血・生理痛や不妊治療、糖尿病や慢性腰痛のようにすぐに著効は期待できないけれど、継続することで体質を改善する目的にはとても効果があります。
楽居堂に来られているある方も、結婚して5年間子供が出来なかったのに、どこから聞いてきたのか旦那さんが毎日おなかへしょうが灸をしはじめたら、2か月後に妊娠されたそうです。
この方のように、しょうが灸は家庭でも出来ますし、おなかへの施灸は一人でも出来ますので本当にお勧めです。
まずはお近くの鍼灸院の門をたたいていちど体験し、やりかたを教えてもらってください。
とても気持ちのいいものですよ。
はり・温灸治療院 楽居堂 IN 世田谷・経堂
http://www.chiryoin.jp