<漢方薬>薬効成分に認知症改善効果を確認 都老人研など

rakkyodo2007-01-06

漢方薬の薬効成分「フラボノイド」に、アルツハイマー病などに伴う脳の神経回路の損傷を回復させる働きがあることを、東京都老人総合研究所などの共同研究チームがマウスを使った実験で確かめた。米神経科学専門誌に近く発表する。

 脳の神経細胞は互いに突起を伸ばし、その接点のシナプス神経伝達物質を分泌し、情報を伝えている。情報がうまく伝わるためには、突起を包む髄鞘(ずいしょう)という構造が欠かせないが、アルツハイマー病など認知症患者の一部では髄鞘が壊れていることが分かってきた。

 研究チームは、マウスの実験から、髄鞘の形成にかかわる2種類の遺伝子を特定した。さらに、さまざまな漢方薬から約40種類の薬効成分を分析した結果、フラボノイド類の中でも桂皮(けいひ)と陳皮(ちんぴ)に含まれるものが、2種類の遺伝子の働きを高めることに気づいた。

 桂皮と陳皮を含む漢方薬髄鞘の破壊が進んだ高齢マウス(2歳半)に2カ月間飲ませたところ、2種類の遺伝子の働きが高まって髄鞘の構造が元に戻り、運動能力も若いマウス(6カ月)と同程度に回復した。

 同研究所の阿相皓晃・老化ゲノム機能研究チームリーダー(細胞生物学)は「市販されている漢方薬にも含まれている成分で、大きな副作用もない。医療現場と協力し、人での臨床研究を進めたい」と話す。   毎日新聞 - 01月05日
素晴らしい!
とても画期的な研究です。
髄鞘が回復するなんて!
しかも漢方薬で!
鍼灸漢方薬を科学的に解明する試みは以前から行われていましたが、近年急激に進んでいるようですね。
東洋医学が迷信のように扱われていた時代を過ごされてきた諸先輩方は、涙が出るほど嬉しいことでしょう。
もうどんどん科学的にアプローチして欲しいです。
ただ、上記の記事を見てひとつ危惧するのはフラボノイドにのみ光が当たっていることですね。
短絡的に「フラボノイドさえ取れば」となると、”みのもんた”や”発掘あるある大辞典”になっかひますからね。
やはり漢方はあの組み合わせに妙があるのです。
特定の生薬だけを取り上げたら、まぁ副作用もあるでしょう。
ちなみに陳皮(ちんぴ)とは、熟したみかんの皮を干したもの。
理気といって、要は気の流れを良くする働きがあります。
桂皮はクスノキ科ケイの樹皮。
通陽気化作用といって、体の活動を活発にさせる作用があります。
ともに気の流れに作用するということは、先人は知っていたのですね。
科学が進んで「昔の人の行っていたことは本当だったんだ」とかくにんするっていうのはいいものです。
ちょっと物忘れが気になる方は、鍼灸と漢方を試してみてください。
http://www.chiryoin.jp
にほんブログ村 健康ブログへ