ツボの位置、WHOが世界基準決定へ

rakkyodo2006-10-27

はり・きゅうで使われる361か所のツボの位置が国際的に統一されることになった。世界保健機関(WHO)が茨城県つくば市で31日から開く国際会議でツボの統一基準を決める。

 現在はツボの位置が国ごとに異なり、それぞれ効果はあるとされるが、国際的に効用などを議論する際に混乱のもとになっていた。

 ツボを使った治療は2000年以上の歴史がある。それぞれのツボの位置や名称は治療が盛んな日本、中国、韓国の3か国でそれぞれ引き継がれていくうちに微妙に変化していった。

 WHOは1989年に361か所のツボの名称を統一し、国際番号をつけた。さらに、2003年から日中韓の研究者からなる諮問会議を設け、位置の統一を検討してきた。
(読売新聞)
とても良いことだと思います。
鍼灸治療が医学から疎外され続けている理由のひとつは、客観的なデータが取れないということもあると思います。
そもそもツボの位置が、各治療家ごとに違いますから。
繰り返します。
ツボの取り方は、各治療家ごとに違います。
今回、”国ごとに違う”ので統一しようということですが、国ごとどころか臨床家ごとに違うのですから、正直言って鍼灸師さんたちは「何を言っていることやら」と思っていることでしょう。
私も統一基準ができたからといって、自分の治療方法が変わることはマッタク無いと思っています。
しかし基準が出来ることにより、鍼灸の効果が客観的に検証されることは大歓迎です。
たとえそれが自分のツボの取り方と違っていたとしてもです。
WHOは鍼灸の適応症として、以下の疾患をあげています。
頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、顔面神経麻痺、メニエル氏病白内障、急性結膜炎、近視、中心性網膜炎、急性上顎洞炎、急性鼻炎、感冒、急性扁桃炎歯痛、抜歯後疼痛、歯肉炎、急性咽頭痛炎、急性気管支炎、気管支喘息、食道・噴門痙攣、しゃっくり、急性・慢性胃炎、胃酸過多症、胃下垂、麻痺性イレウス、慢性・急性十二指腸潰瘍、急性・慢性腸炎、便秘、下痢、急性細菌性下痢、打撲による麻痺、末梢神経系疾患、多発性筋炎、神経性膀胱障害、肋間神経痛、頚腕症候群、坐骨神経痛、腰痛、関節炎、夜尿症
しかしながら残念なことに、日本では鍼灸は医療類似行為としてあくまでも”特定の疾患を治療するものではない”という態度を取っています。
病気を治すのはあくまでも”医者のみ”ということですね。
WHOが世界基準に則り、上記の疾患についてデータに基づき”効果有り”とお墨付きをしていただければ鍼灸師の諸先輩方の努力も報われようというものです。
今後の動きに注目しています。
http://www.chiryoin.jp
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