「背伸びる」、根拠なし=公取委、整体施設に排除命令−3センチで300万円

rakkyodo2007-02-22

新聞の折り込みチラシで、「成長ホルモンの分泌を高め、骨を伸ばす」と表示したのは景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、公正取引委員会は22日、整体施設経営「コジマ身長伸ばしセンター」(東京都中央区、旧ケイピーシー)に表示をやめるよう排除命令を出した。
 公取委によると、同社は昨年2月から5月までの間、関東と近畿地方でチラシ約214万枚を配布。身長を伸ばすとする「足延長術」について、「全身を回転させ、遠心力で成長ホルモンの分泌を高めて骨を伸ばす」「3センチアップ」などと記載した。また、頭の骨を調整して顔を小さくするとも表示していた。(時事通信
こりゃまた、なんと言う!
”遠心力で成長ホルモンの分泌を高める」なんて、何処から出たアイデアなのでしょう?
それを信じた人もいたのでしょうか?
ちょっと信じがたいお話ですね。
猫背気味や腰の曲がった人が整体を受けることで、背骨が伸びて身長が2−3センチ伸びることはありますよ。
でもそれで成長ホルモンが分泌されることはありません。
あるある大辞典」よりも突拍子のないデマです。
整体で背骨が伸びて背が高くなったとしても、それは一時的なものです。
姿勢を変えるには、自らもストレッチや運動をして筋肉のバランスを変える努力をしていたく必要があります。
「頭の骨を調整して顔を小さくする」というのも、うーん、、、全く不可能とは思いませんがあまり大々的には言い難い分野ですね。
頭の骨の調整法というのは確かにあります。
私もやっている「クラニオ・セイクラル(頭蓋仙骨療法)」です。
アメリカ発の整体法で、俗に5グラムタッチというほどソフトな刺激で頭の骨の関節を調整します。
そのことによって中には、絶壁頭の後頭部が膨らんで(後ろに出て)、結果として顔面が小さく見えるようになることはあります。
でもそれは数ミリのことであり、「客観的な数字で表せ」と言われたら、まず真面目な整体師なら尻込みをするでしょう。
分かっていただきたいのは、整体も鍼灸治療も”お料理”と同じなのです。
「カツ丼」はカツ丼でも、料理人によって美味しかったり不味かったりするでしょ?
また食べる人の状態によっても違いますね。
塩辛いものが食べたい時があれば、甘いものが美味しく感じるときもある。
食欲があるときもあれば、無い時もある。
だとすると「カツ丼」は美味しいものでしょうか、不味いものでしょうか?
「美味しいときもあれば、そう感じないときもある」というのが正解でしょ?
東洋医学も一緒なのです。
養老孟司先生の「バカの壁」ではありませんが、「ああすればこうなる」というものではないのです。
私ら鍼灸師は治療のたびごとに、パズルを解くように患者さんの変化を見ながら「ナニが一番いいのか」考えながらツボを選択し、刺激量を注意深く観察しているのです。
”前回の治療と今回の治療は違う”のがまともな鍼灸師の態度なのです。
ですから先ほど書いた「客観的なデータを出せと言われたら尻込みする」のが真面目な態度なのですね。
そこが西洋医学との違いなのです。
そのことをご理解のうえ整体・鍼灸を受けてください。
なんだかニュースとは関係のないお話になっちゃいましたが、いつものことですね!
はり・温灸治療院「楽居堂」IN世田谷・経堂
http://www.chiryoin.jp
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