リラックスできる体作りを!

鍼灸治療の、あるいは東洋医学のと言っても差支えないと思いますが、その究極の目的は”リラックスできる体作り”を目指すことです。
以前からこのブログなどで度々書いていますが、現代においてリラックスできる術を身に着けるのは、教養の一つだと思います。
「なんと大げさな!」と思われるかもしれませんが、毎日患者さんの体を診ている者の立場として、本当に力を抜くことが下手な方が多いと思います。
ベッドの仰向け、ないしうつぶせに寝てもらうでしょ、寝ているんだから体の力を抜けばいいじゃないですか!ところが手足・首・顎などに力が入ったままの方が多いのです。
もちろん、どこか体の調子が悪い、痛いから鍼灸院に来られているのですから、特定部位に力が入っているのも無理ない話です。
あるいは、これから始まる鍼灸が怖いから、または私という人間が信用できないから体が緊張しているのかもしれません。
私のせいだとしたら、本当に申し訳ない。
でもさー、まな板の上のコイになったつもりで、全身の力を抜いていただいた方がお互いのためなんだぜ!
時に感心するほどリラックスができている方もいらっしゃいます。
ある男性が腰椎ヘルニアで来院されました。
待合室のソファに座っている姿がいかにも痛そうで、「こりゃ大変そうだな」と思っていました。
ところが、この方がベットに仰向けでお休みいただいたら、素晴らしく”いい体”なんですよ!
いや別に、セクシーとかそういう意味じゃなくて、手足の力がグタッと抜けている。
無駄なところに無駄な力が入っていないんです。
「いったいあなたは何のスポーツをやっているんですか?」と聞いてみたら、ムエタイの選手でした。
もちろんアマチュアですよ。
でも「なるほどな〜」と感心しました。
あれって柔軟性が必要ですし、基本、体重が軽い方がいいのだから筋トレそれほどはしないでしょう。
動かすことで付けた筋肉は柔らかいですからね。
頑張りすぎてヘルニアになってしまったそうですが、しかし、これだけリラックスが上手な方はきっと早く治るだろうと思ったものです。
実際その患者さんは、びっくりするほどの回復力を見せてくれました。
そういうものですよ。
その方も腰、相当痛かったはずなのです。
しかし痛みは痛みとして、他の部分の無駄な力を抜くことができたから、結局回復が早い。
リラックスしている体は血流いいし、睡眠は深いし、胃腸の消化吸収もいいし、おまけに免疫力も上がります。
往々にしてリラックスのできない方は、自分で心配や気にし過ぎで、余計なエネルギーを使ってしまっているようです。
いや、かくいう私も、頭で病を作ってしまうタイプの人間です。
それが嫌だから、自律訓練法操体法で体から力を抜く時間を作っているのです。
誰だって毎日歯を磨くでしょ?
それと同じように、日々のストレスや体のゆがみを、こまめに自分なりの方法でいいから調整することを学んでおかないと、ストレスのサンドバッグになっちゃいますよ!
テーマは”力を抜く・リラックスできる体づくり”これに限りますよ。
そのための鍼灸治療なのです。
いかがですか? ちょっとは鍼灸に魅力を感じてくれましたか?
はり・温灸治療院 楽居堂 IN 世田谷・経堂
http://www.chiryoin.jp